CERN Summer Student Programme のご案内

 

平成1815

高エネルギー加速器研究機構

 

 CERN(欧州合同原子核研究機関)は、スイス・ジュネーブの中心地から車で25分、フランスとの国境に位置する研究所です。付近は広大なぶどう畑の丘陵に面し、近くはジュラ山脈、遠くにはモンブランを望む自然環境に恵まれています。CERNはスイス、フランス、ドイツ、イギリスなどヨーロッパの20の加盟国が運営に関わる国際研究機関で、周長27kmの巨大加速器を用いた世界最先端の素粒子・原子核物理学の研究が行われています。日本はアメリカなどと同様にオブザーバー国として参画しています。現在、世界最大の大型衝突型加速器(LHC)の建設が進められており、日本からも多数の研究者がこのプロジェクトに参加しています。2007年の実験開始後はヒッグス粒子や標準理論を越える新しい現象の発見を目指して、世界最高エネルギーでの衝突実験が行われる予定です。また反陽子ビームを用いて反水素原子の生成実験なども行なわれています。

 CERNでは加盟国の学部学生を中心に毎夏サマー・スチューデント・プログラムを実施しています。これは約30年の歴史があるもので、大学の学部学生約200名程度が夏の期間2カ月間程度CERNに滞在し、先端科学の実体験をします。特別な措置により2004年より、日本人学生がこのプログラムに参加することが可能になり、高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)が、日本人学生の参加に係る各種手続きの便宜を図っております。

 ついては、以下の要領により、このプログラムに参加を希望する学生を募集いたしますのでよろしくお願いいたします。

 

1        プログラムの概要

参加者は、夏の期間2カ月間以上CERNに滞在し、CERNの特定の実験グループに所属し指導を受けながら研究を補助し、並行して5週間にわたる講義を受講します。参加する対象となる実験グループには、CERNで建設が進んでいるLHC計画の高エネルギー物理実験や、原子核物理実験、加速器科学、計算機科学のグループが含まれています。講義では、クォークやニュートリノの素粒子物理学、加速器の原理、粒子検出器やデータ処理技術から、ビッグバンやダークマターに関する宇宙物理学に至るまでの広い分野の基礎と現状が、現場で活躍する研究者によってわかりやすく紹介されます。さらにCERNの施設の視察や参加学生によるディスカッションやポスターセッションが催されます。学生同士のパーティやフィールドトリップなど各種活動に参加することも出来ます。

 

2        プログラム参加のメリット

@     世界最先端の素粒子物理学等関連分野の研究の現場が直接体験できる。

A     世界各国の優秀な学生と交流ができ、多くの外国人の友人を得ることができる。

B     参加者の英語、フランス語等の語学力の増強にも効果があるほか、他の参加者を通じた世界各国の文化や事情も理解することができ、国際的な感覚を養う上で有益。

 

3        参加対象

以下の要件にすべて合致する者

@     大学院修士課程に在籍し20066月末時点で1年次在学中(修了者は不可)の者

A     日本国籍を有する者

B     充分な英語力を有する者(講義や実験グループのミーティング等プログラムは英語を使用言語とするため)。

C     CERNが実施する本プログラムの講義の期間(7月上旬から8月中旬を予定)は必ず参加が可能な者

D     かつてCERNで実験等の経験のない者

 

4        プログラムの実施期間

プログラムの実施期間は6月の初旬から9月の下旬までの期間で、参加者の選択によって最低で8週間、最高で13週間の参加が可能である。ただし、3のCでも記載のように、CERNが本プログラムのために実施する講義(7月上旬から8月上旬)には必ず出席することが要請されている。

なお、実施期間のモデル案についてはCERNホームページの本プログラムのサイトの中のカレンダーに記載されているので、参加者はこれに基づいて自己の参加期間を決定することとなる。

 

5        参加経費

プログラムの参加のために必要な経費(旅費(航空賃)、現地宿泊費、保険費 推定額70万円程度)は参加学生に対して助成をする予定である。なお、本プログラムの参加費そのものは無料である。

 

6        募集人数   3名程度

 

7        申込方法

参加希望者は以下の必要な書類を提出すること。提出は郵送を原則とするが直接持参しても可。

 (1) 申請様式(Application Form) :必要事項をすべて英語で記入のこと(ただし、日本語で記入の補足資料を含む) 1

 (2) 現在在籍する大学・大学院の担当教官の推薦状(様式自由) 1

 (3) 成績証明書(現在在学する大学・大学院のもの) 1

 (4) 20056月時点で大学院修士課程1年次在学中の者で申請時点では学部学生の者は、当該大学院に入学が許可されていることがわかる書類(合格通知等当該大学院が発行したものに限る) 1

 

8        申込締切日

2006年(平成18年)131() 必着とするが、郵送の場合同日付けの消印のものまで受け付ける。

 

9        申請書類提出先及び問合せ先

高エネルギー加速器研究機構 管理局 総務部 国際企画課

  〒305-0801 茨城県つくば市大穂1-1 029-864-5134

 

10   申請後の手続き(予定)

@     応募のあった書類をもとに書類審査を行い、パスした応募者の面接を実施2006210()、東京大学理学部にて)する予定である。面接は、東京で、素粒子・原子核専門分野の教官によって行われる。面接の案内は後日通知する。

A     応募書類の内容や面接の結果をもとに、このプログラムの参加者にふさわしい候補者を選び、CERNに推薦する。(3月初旬)

B     CERNでは、各国から選別された参加候補者のリストをもとに、受け入れ実験チームによる候補者の選択が実施される。実験チームに選ばれた候補者をもとにCERNが参加者を決定する。なお、実験チームに選ばれなかった候補者については、その時点で落選となる。(3月)

C     参加者とCERNおよび高エネルギー加速器研究機構の間で、参加日程、滞在先などの連絡調整を行なう。(4月〜6月)

D     日本からの参加者のための事前説明会を東京ないし高エネルギー加速器研究機構で実施する。(6) 

E     プログラムに参加する。

F     参加者は帰国後、成果報告を含めた事後アンケートを提出する。(10)

  

11   その他

@     参加者の現地における生活上の問題の支援等は、CERNに駐在している高エネルギー加速器研究機構職員が行う。また、現地で研究を行っている日本人研究者も何らかの支援を行う予定。

A     現地での宿舎については、CERNの宿舎又は付近の借上アパートがあり、そこを斡旋することも可能。

B     本プログラムに関するウェッブサイト

・本プログラムの日本人学生用サイトhttp://CERNSummerSchool.kek.jp/

CERNに関する情報 http://cern.ch/

CERNの本プログラムに関するサイト

http://humanresources.web.cern.ch/HumanResources/external/recruitment/students/summ/summ.asp

C     その他不明な点は国際企画課に問い合わせてください。

 

以 上